育休男性への社会の目

広告

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Check
育休男性は社会的に認められないのか

男性の育児参加はいいことだ、と言われるしみんな認めてくれる。しかし育児休業はどうだろう?近所の人だったら「いいですね」というけれど、身内だったら「大丈夫なのか?」といってしまうのではないだろうか

そんな体験をイヤというほどしてきた。今回はそんなお話

育児休業夫は珍獣か

育児休業を取得してしばらくは妻の実家にお世話になっていた。とても自然の豊かなところで、散歩に出るのが毎日楽しくて仕方なかった。外に出るのはいい気分転換でもあるし。

田舎の町では近所は顔見知りなのが当然。そんな中を知らない男が赤ちゃんを抱っこして歩いているとなれば、会う人会う人、不思議そうな目でこちらを見ている。そのうち「どちらの方ですか?」と聞かれる。「いま○○家にお世話になってるんです」と返答していると

村人「お仕事は休みなんですか?夏休みが長くていいですね」

うーん、育児休業なんだけど説明するのが面倒だからと、「そうですね、助かってます」と返していた。

これが女性ならみんな育児休業なんだと認識するんだろうが、男性だとそうはいかない。まぁ仕方ないかと思っているうちに、夏が終わる。

夏が終わっても散歩は終わらない。「あの人、今日も歩いてるよ」という反応に。当然声もかけられる。

村人「いつも散歩して、ご苦労だねぇ。今休みなの?」

私「育児休業を取ってまして。」

村人「そんな制度があるんだ。いい会社だねぇ。」

いや、法律なんだが・・。面倒なのでまた「そうですね、助かってます」

これは自宅に戻ってからも続いた。自宅の近所を散歩していると「今仕事は?」→「育児休業です」→「いいですねぇ」。もうこんな会話がしょっちゅうで、だんだん人に会うのが面倒になってきた。

道の先に人を見つけると、進行方向を変えたり・・。悪いことしていないのにパトカーを避ける、そんな気分。。

話すたびに、びっくりされたり感心されたり。女性ならこんな反応は返ってこないんだろう(´Д`。)

育休夫、他人は優しく身内は厳しい

道で会う人たちは育休夫に対してとても優しく、応援してくれる。ありがたい。しかし、身内の対応は決してそんなに暖かいものではない(´Д`。)

離れた土地にいる両親は、育児休業を取った私にそんなに優しくはない。私の身を心配してくれている故というところもあるのはわかるが、育児休業への理解を得るのはなかなか。。ちなみに、妻の体調は関係なく、育児をしたいから育休をとると伝えた。二人で取れると知っていたら最初から休んでいたので、本心だ。

母「育児休業なんて取れるの?会社にそんな制度があるの?」
私「法律で認められてるんだよ。会社も了承してくれてる」
母「そんなに休んで大丈夫か?首になるんじゃないの?」
私「法律だから。首にできない」
母「法律なんて関係ない。”あなたはもういりません”ってクビにされるよ」

法治国家日本はどこへ・・((( ;゜Д゜)))。そして父もなかなか

父「育児も大事だが、仕事も大事だぞ。会社に迷惑をかけないように!」

ちなみに父は地元で小さな会社を経営している。

心配してくれているというところもあるが、それ以上に育児のために仕事を離れることに対してなかなか理解できないというほうが大きい。「仕事も大事だぞ」という言葉にそれが現われている。

そして私の中で一番腑に落ちないのは、「女性の育児休業者はこんなことは言われない」ということだ(`Д´)(女性でも休みづらい会社環境の方はいるだろうが)

女性なら、仕事も大事だぞとか、そんな制度があるのかなんて話は出てこない。男だから言われる。暖かい声をかけてくれていた近所の方々も、身内の男性が育児休業を取るとなれば対応は違っているのだろうなと感じてしまう(  ̄。 ̄)

男性の育休になんとなく納得しづらい、という空気が確かに存在していた。男性の育児休業取得には、制度や企業体制以外に、社会的な見えないハードルがあるのだ(T^T)

育休へのハードルは育児者の内側にも

法制度、企業体制、取りづらい空気、そんな外的要因だけでなく、男性の育児休業取得には内面的なハードルもある。

同年代の人と話したとき、

「育児休業、いいね。うちの会社でそんなの取ったらクビになっちゃうよ。」

法律で育休取得ができることは知っているのに、それでもこう思ってしまうようだ。勤め先に確認したわけでもないだろうし、実際クビになったり左遷された人がいるんだよという話もなかった。なんとなくダメだろうと思ってしまうのだ。

まわりに育児休業を取っている男性がいなければ第一人者となるのには確かに勇気がいる。法律で認められた権利。堂々と取っていいんだが、なかなか難しいようだ。誰かが始めれば次はどんどん続くのだろう。野茂がメジャーリーグに挑戦したら、次々メジャー挑戦が続いて、今では日本で成功したらメジャーへという流れが当然となったように。

ん?ということは私はそんなパイオニアの一人なのか?

ただ、残念ながら私の勤め先は「後にどんどん続け!」というほど社員はいないのだ(T^T)小さい会社だからねぇ。

皆さんの温かい理解のもと、育児してます

両親は、ちゃんと会社も理解してくれているという説明で、何とか理解してくれた。ありがたいことだ(´ー`)

そしてなにより、育児休業の申し出を笑顔で受け入れてくれた私の勤め先、そして休んでいる間、私の分の仕事をしてくれている社員の皆様には本当に感謝している。温かい理解のおかげで育児ができており、娘も順調に育っている。

そんな温かい理解があるから、私は復帰したら勤め先にその分しっかりと仕事でお返しをしたいと思える。

また、近所の方からこんな温かい言葉ももらった。

ご近所さん「パパとママ、二人にしっかり見てもらえるなんて。この子は心の優しい子供に育つね」

うぅ、感動だ(T^T)

私の名言記録に加えておこう。

これは夫婦での育休に対しての、最大の賛美だと思う。

優しい心の持ち主に育つであろう、1歳の愛娘は今日も私の髪を力いっぱい引っ張り上げる。
優しい娘よ、お父さん、この髪とはずっと友達でいたいから引き剥がさないで。髪は長い友と書いてだね・・。つかんでいいから、せめて優しく・・(T_T)

このページの現在地
ホーム
育児男性から見た社会
育休男性への社会の目