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テレビや広告なんかで”私どもは木を増やす活動をしています”などというフレーズを良く見る。環境への取り組みはすばらしいことだ。ぜひやってほしい。しかし、そんなこといっている企業が、やれ休みが取れないだとか、名ばかりの出世で残業代が出なくなっただけだとか。
緑の前に増やすものがあるだろう。そして育児参加のほうが企業PRに効果的だ。今回はそんなお話。
「私たちは木を植えています」というフレーズがテレビで流れたり、「社員の環境活動への参加」という写真が掲載されていたりする。それはそれはたいそうな取り組みで、会社の利益や労働力を直接の利益にはつながらない、ボランティアに費やしてくれている。頭の下がる思いだ。すばらしいことだ。
これらはCSRの一環である。CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、日本語にすると「企業の社会に対する責任」となる。企業は持続可能な社会を作るための責任を持っており、社会の要請に応えたり、社会に貢献していこう、という考えだ。
企業も社会を構成する要素の一つなので、社会に対する責任を持つのは当然であるが、それをはっきりと形にして実行するのはなかなか大変だ。なので、環境活動に取り組むということは、すばらしいことなのだ。
しかしそこは企業、企業とは利益集団である。こっそりやったりはしない。人の知らないところで実行しようなんて美徳かもしれないが、もったいない。堂々とアピールして、「この企業は好感がもてるな」と言われる材料にしたいのは当然。
それももちろん悪くない。企業は広告になるし、社会としても恩恵を受けられる。まさに双方にお得、WinWinの取り組みだ。
でも、そんな取り組みをしてる企業に限って、労働条件が厳しかったりする・・
以前ニュースにもなった「名ばかり店長」。ある会社では店長は管理職扱いとなる。管理職には残業代はつかない。これが法律。管理職は一般社員と違い管理権限があり、労働時間が拘束されないのだ。
しかし実際にはしっかり会社から労働時間を拘束されている。人件費削減のため人を雇えず、その分店長が働くことが常態化している企業もある。そんな企業が「環境活動をやっています」と言っているのを見ると、オイオイと思う。(´Д`。)
環境のなかに、労働環境も含めようよって。
知り合いの働いているある有名電気製品メーカーは、有給の消費が義務付けられているが、とても休んでいられないので、有給で休んだということにしておきながら出勤して働いている。
ある教材会社でも有給を消費しなくてはということで、有給を取得しても、自宅に仕事を持ち帰り仕事をさせられている。
以前私の勤めていた会社では、ゴミ削減に取り組んでいますなんてCSRだった。社員の休日の削減にも非常に熱心で、私の認められていた休日が前日いきなり削除。私の上司は「休ませるくらいなら、有給日に出勤させろ」と会社から指示されていた。
よくがんばった、俺。o(T□T)o"ヽ(・_・、)
これが現実。お客さんに見せる外面は「こんなに好感が持てる企業なんです」と言いながら、ただの社員の犠牲の上に成り立っていたりする。
社員からも好感が持たれてこそ、CSRとして成り立つのに。
企業は緑を増やす活動の前に、子供を増やす活動に力を入れてくれないものだろうか。
少子化対策は企業にとっても未来のお客様を創造する、有意義な活動だ。人口が増えれば市場も大きくなる。国にとっても企業にとってもうれしい話だ。
。環境活動に取り組んでいます、そんな告知はもう目新しくなくなった。確かに好感は持てるが。それよりも、「少子高齢化への取り組みとして、育児休業の積極取得に取り組んでいます。」、「男性のxx%が育児休業を取得しています」という告知の方が内容があるのではないだろうか。
育児しやすい労働環境に配慮している、こんな企業に私は好感が持てる。好感をもたれることはブランド価値が高まることじゃないだろうかと思う。労働環境が悪いと、社員の顔つきも悪くなっていくし・・いや、ほんとに笑っていられなくなるんだこれが。
そういわけで、「未来の子供たちのために、緑を増やす活動をしています」こんなのはもう時代遅れだ、これからのCSRは
「未来の子供たちを増やす活動をしています」
これだ!すばらしい(T^T)。今回も名言誕生だ。
ちょっと卑猥に聞こえなくもないが。